こんばんは。
やさしい日本語アドバイザーのTomokoです。
最近clubhouseで話をしたのですが、まだまだアレルギーのことって知られていないなと思ったので、息子たちのことを少し書いてみたくなってブログを久しぶりに開きました。
私と医療との接点は、いろいろありますが、その中の一つが息子たちのアレルギーです。
息子たちのアレルギーについて
たろうのアレルギー
たろう(仮名)は、0才の時パンがゆを食べて、アナフィラキシーを起こしました。
当時の私は、それがアナフィラキシーだと分からなくて、おっぱいを飲ませてひたすら抱っこで泣き止ませようとしていました。
写真にもまだ残していますが、少し蕁麻疹が出たのと瞼の浮腫が症状として出ていたんですね。
後日小児科で相談したところ、なぜ来なかったの?と言われました。
そして、写真を見せてあったことを話すと「アナフィラキシーだね。死ぬこともあるんだから、生きていてよかった」って先生に静かに怒られながら、教えてもらいました。
当時はすごくショックで、(死なせたかもしれないことに)落ち込みました。
その後の血液検査で、小麦・乳製品・卵・バナナのアレルギーがあることを知りました。
バナナは3才くらいの時にわかったんですが、食べるとくしゃみが止まらなくなって花粉症のような症状が出るんです。
バナナと花粉のタンパク質の形が似ているらしいという話を聞きました。
たろうはアナフィラキシーの経験があります。
アナフィラキシーとアナフィラキシーショックって違います。
定義は専門家のほむほむ先生のツイートを参考にしてください。
WAO(世界アレルギー機構)のアナフィラキシーの診断基準が修正されていました。
1) 急性発症(数分~数時間)で、皮膚、粘膜組織、またはその両方が同時に症状がある(例:全身じんましん、そう痒感もしくは紅潮、唇・舌・口内腫脹)の上で、以下のうち少なくとも1つを満たす。
→ pic.twitter.com/oNWBbHHkWr— ほむほむ@アレルギー専門医 (@ped_allergy) May 5, 2021
卵の負荷試験の時に、蕁麻疹が出たのと呼吸状態が悪くなりアナフィラキシーだねと診断が下りて点滴対応してもらいました。
薬もエピペンもない、医師の指導もない環境下で自分の子供がどれくらい食べられるのかを試すのは本当に危険なので、医師の指導と管理下のもとで試すことをお勧めします。
症状が出て一番辛いのは子供自身です。
じろうのアレルギー
じろう(仮名)は、たろうにアレルギーがあったので、離乳食で「たまごをそろそろ食べさせてみましょう」という時期になった時に小児科に行って調べてもらいました。
卵を人生だまだ一口も食べたことがないのですが、ものすごく高い数値のアレルギーがあることがわかり、しばらく食べなくてもいいよということになりました。(6歳になりましたが継続中)
幸い牛乳はアレルギーがなかったんですが、たろうの乳製品への反応が強い時期もあって赤ちゃんのじろうには、牛乳をあげずに豆乳を飲ませていました。
(たろうとよく遊ぶので、乳製品がたろうに付着するのを減らしたかったんです)
1才半くらいの時に、旅行に行きました。
たろうは、いくらが大好きでいくらのおにぎりを食べていました。
おにぎりを食べてお茶を飲んでという、ありふれた光景が広がっていました。
じろうはしゃけが大好物なので、しゃけおにぎりを食べていました。
たろうが飲んだお茶をじろうが飲んだ時に事件が起こったのです。
じろうが目を擦りながら、泣き始めてしまいました。
見ると目の周りに蕁麻疹がたくさん出ていました。目の粘膜も真っ赤になって、まぶた、唇まで腫れてきて、アナフィラキシーだとわかりました。
あわてて手持ちのお薬を飲ませて対応したのですが、この時はなかなか症状が落ち着かず。こんな時どうしたらいいですか?と普段から主治医に確認をしていたので、いつも症状が出たときに服薬する薬の量の3倍を飲ませました。
それでやっと落ち着いてくれて、泣き疲れてじろうは寝てしまったんですが、旅行後に主治医に報告して、改めて血液検査をして、いくらアレルギーがあると確認できました。
じろうは、他にも果物を食べても吐き出してしまうことが続いていたので、それも相談したところ、バナナにも軽いアレルギーがありました。
口腔内アレルギー症候群はアレルギーの症状が出るほどではないけど、口の中に違和感がある時に使われる名前のようです。じろうもおそらくそうなのだろうと説明を受けました。
口腔内アレルギー症候群は好き嫌いのようにも見えやすいのですが、アレルギーの症状が出ないとは限らないので、無理させないようにしてくださいねと言われています。
慣れないアレルギっ子との生活が始まる
生活上変化したこと・トラブル・増えた家事
正直いっぱいあります。8年でだいぶ慣れましたけどね…。
家での食事
- 自宅で料理をするのが怖くなった
- 卵料理が自宅で作れなくなった(最近はたまに作ってる)
- 子供のアレルゲンを口にしたときは、うがい手洗いをしていた(過去形になった…)
- 除去食を作ろうと思うけど、思い通りの仕上がりにならない。(美味しくない・食感が悪いなど)
- アレルギーフリーの離乳食のバリエーションが少なくて不満に思う
- 和菓子や加工肉には意外と卵が使われていることを知る
- 卵がどれだけ世の中の食品に使用されているのかを痛感する
- 卵と牛乳がどれほどおいしいのかをアレルゲン対応食品を味見して知る(まだ不味いのが多い)
- 豆乳は加工豆乳しか飲めない(不味いから)
- ピザが食べたいと泣かれて困る(一緒に泣く)
- どうしてアレルギーがあるんだよ〜!と泣き叫ばれる。(母も予想外想定外)
- チョコレートケーキが食べたいとごねられる。
- プリンが食べたいとごねられる。(最近は植物性のプリンがあります)
- たまに間違えて卵入りを出してしまう。もちろん発症しました。そして、後悔。反省。
- 子供の前でケーキが食べられなくなる。(最近は我慢せず食べてる)
- 食品の原材料表示を見るのが日課になった。
- 乳化剤とか紛らわしい表示に騙される(乳化剤は乳製品ではない)
- 卵殻カルシウムという言葉に翻弄される(調べたらわかります)
外出先での食事
- 潔癖か!と突っ込まれるくらい外食先でテーブルと椅子を拭くようになった(じゃないと症状が出ちゃう(泣)割と白い目で見られる。つらみ。)
- 入店前にメニューとアレルゲン表示の確認が必須になった
- 外食先として選択できるお店が激減した
- 露店やお祭りが苦手になった(大体アレルゲンが分からない=食べれない)
- かき氷すらミルクかかってないか、シロップの濁りを確認する(濁ってたらミルク入りの可能性が高いため)
- 旅館のバイキングでいくらがあったら、じろうには必ず靴下を履かせるようになった
- 旅館はアレルゲン表示があるかどうかを予め調査する
- バイキングの時は、子供たちに何が食べられるのかを一通り説明する
- 食事中の子供の様子をよく見るようになった
- いろんなところに薬を忍ばせておく(かばん・ポケット・財布・化粧ポーチなど)
- 知らない人からの好意が怖くなった(お菓子あげるね〜系。ありがたくいただいて家に持ち帰っています)
- 食べ歩きしてる人がめっちゃ怖い(マヨネーズとかソフトクリームとか恐怖だった)
- 公園で食べながら遊んでる子供も怖かった(内心近づかんといてほしいと思ってた)
- 外食先の低アレルゲンメニューが少ない(あって2種類)から子供が飽きる
- 成分表を見せてほしいと店の人に話すと嫌がられる/断られる
- うちには食べられるものはない!と入店を拒否られることもある(悲しい)
- わがままを優先される(アレルギーの方の除去には応じておりませんが、好き嫌いなら除去対応します、とにこやかに宣言された。宣戦布告やなと思いましたw)
- <ホテルに宿泊>事前の打ち合わせをしていたにもかかわらず、茶碗蒸しをサーブされ、挙げ句の果てに卵は入っておりませんと言い切られる。おまけに食べてないけど、茶碗蒸しの蓋開けた時にテーブルに落ちた水滴でアレルギーまで発症。(社員への指導とオペレーションの改善をお願いした)
- 外食先でアレルギー発症したのに薬忘れた(蕁麻疹のあるところを水洗いして即帰宅)
- 旅行が本当に大変になった(日本は調べたらなんとかなる。特に海外の安くて美味しい小さなお店に入りたいのに入れない。確認と交渉ができない。言葉の壁。)
- 海外旅行先の原材料表示が読めない。分からない=食べられない。
- 海外旅行先には必ず食べられる保存食を持参する。(防災用品のご飯で消費期限近いものを持って行っていたのですが、めっちゃ役立ちました。まだ小さかったこともあり、外国の料理の味に拒否感が強く食べてくれなかったので。)
学校・保育園での食事
- 預け先での誤食事故は今まで2回ある(どちらもたろう)
- 毎年医者に書類を書いてもらう(有料:かかりつけは1通3000円×2人)
- 毎週学童の補食メニューの確認をする
- 毎月給食のメニューのアレルゲンを確認する
- 毎年学童と給食のアレルギー対応の申請書を書く
- 園長とバトルしたことがある(私の年は叶わなかったけど、その時仲裁してくれた先生が園長になり翌年からアレルギー対応が一部できるようになった。バトった甲斐がある)
生活面の変化
- 防災用品に子供用の食事を確保するようになった
- 試食は危ないので、見張っている。どうぞ〜って子供にわたしそうになったら「アレルギーがあるので」と断る。
- 我が家はヴィーガンの料理がアレルギー対応食になりうるのでヴィーガンが好きになった
- 定期的にアレルギー外来に行く
- エピペンを毎年交換し、自分で打つ練習を子供たちにさせる
- 子供達にアレルゲン表示の見方を教える(ピクトがあると本当に助かる。じろうはまだ漢字読めないから)
- アレルギーの伝え方を子供達に伝授する
- アレルギーの負荷試験は5時間くらいかかる(昼からの特別外来に1番に行って外来が終わって18時ごろ帰宅する。母、疲労困憊。子供、持て余してるパターン。)
- イベント毎に家族、親戚、友達に食事に関して相談する
- ママ友に子供を預けにくいなと感じる(快くいつも引き受けてくれるママ友を心の中で拝んでます)
- ワクチン接種の時に卵にアレルギーがあることを毎度伝える
- 塾の宿泊イベントで相談・交渉する
- アレルギー対応に応じてくれるお店が大好きになる(通います。お金落とします。)
- アレルギーへの理解を示してくれる人が神様に見えるようになる
- 校長先生と仲良くなった(補食を忘れたら、食べ物を預かってくれている校長室までいつも持参していたから)
役に立ったもの
苦節8年。今も大変です。でも8年の中で慣れてきたり、当たり前になって苦痛じゃなくなったこともあります。
今は昔よりもとても便利になったと思いますし、昔よりも理解があると感じます。
愚痴ばかりではなんですので、小麦に始まり、卵・乳製品・いくら・バナナアレルギーの子供を持つ私にとって役立ったものを書いていきます。
外食先
ヴィーガンやベジタリアンのお店を探すときはVegewelのサイトがお勧めです。
ここでいろんな食材も紹介してくれてるので、おやつ関連の情報収集にも役立ち、すごく助かりました。
チェーンのあるお店は、アレルゲンの情報がありとても利用しやすいです。
すかいらーくグループ
それはそれはお世話になっているすかいらーくグループのファミリーレストラン。
アレルゲンの検索がとてもしやすいです。(感謝!)
ハンバーガーだと、モスバーガーは低アレルゲンメニューがあります。(感謝!)
ハンバーグは、びっくりドンキーに卵と小麦と乳を使わないハンバーグがあります。(ハンバーグ大好きなのです!感謝!)
ラーメンは、食べたいんですけど、あんまりなくて、ソラノイロはヴィーガンラーメンのお店です。(オイシックスで食べたら美味しかった!感謝!)
自宅近くの喜多方ラーメン屋は、小麦使用してますが卵も乳も使ってないそうなので時々行きます。ちょっとこれはリンク貼れないけど、ラーメン屋さんはお店の人に聞けば、大体教えてくれます。(優しくて好き。)
家のご飯作りに
【kit Oisix(きっと、おいしっくす)】おいしっくすは結婚してからずっと利用しているので、もうかれこれ12年ほど愛用してます。
最近ヴィーガンのキットが仲間入りしたんですが、ナッツ系がだめじゃなければ動物性タンパク質がダメな人には、ヴィーガンのキットはすごく役に立ちます。
(ナッツ系にアレルギーがある人はベジタリアンもヴィーガンもナッツ使われてる可能性があるから気をつけてください)
そして、オイシックスのヴィーガンのキットは本当に美味しいです。おすすめです。
あとは、辻安全食品も本当にお世話になっています。
小麦は食べられるようになったんですが、パンがなかなか食べられないっていう悩みのあるお母さんもいらっしゃると思います。
卵の入ってないパンって、ハード系が多いんです。フランスパンとか固くて水分の少ないパン。
米粉のアレルギーフリーのパンも買ったりしましたが、いまいちであまり好きじゃなかった。食感が悪かった(今は小麦食べれるから今のはよくわかりませんが、よくなっているそうです^^)
いつからあるのかはわからないんですけど、辻安全食品のオンラインショップには小麦は使用しているけど、卵と乳不使用のパンが、なんと、なんと売られているのです。
- シュガークロワッサン(美味しいです。実食済み)
- カレーパン(上に同じ)
- メロンパン(上に同じ)
- ホイップクリームパン(上に同じ)
美味しそうでしょう?実際とても美味しいです。
卵と乳を使っていないパンがこんなにあるって奇跡ですか?って最初思ったくらいです。時々大人買いします。
他にも辻安全食品のオンラインショップは、お惣菜も充実しています。
- ハンバーグ
- ミートボール
- 肉じゃが
- 豚牛蒡
- 丼の具
- 白身魚のカレーあんかけ
- JAL機内食のお魚ハンバーグ
常温保存できるものもあるので、とても便利ですよ。
この他にもスーパーでもよく見かける商品があります。
これは納戸にストックしてあります。疲れた時にも食べてもらって母は楽をしています。
ハウスのアレルギー対応シリーズもめっちゃ助かってます(感謝!)
子供たちはみんなと同じものが食べたい気持ちが大きいので、すごく役に立っています。
ケーキ作りに
白崎裕子さんの本は、植物性のタンパク質が大丈夫だったら役立つと思います。
私は料理教室に3年ほど通ってたことがあって、パン作るのが実は好きなんです。
卵がないと美味しくないよなぁと諦めていた時に出会ったのが白崎茶会のパンのレシピでした。
卵や牛乳がなくてもパンが作れるというのは本当に目から鱗で、いろんなパンをこの本で教えてもらって作っていました。
今忙しくて余裕ないですけど、とても美味しいパンやお菓子が作れるんです。
(↓amazonに飛びます)
ケーキ作るのがめんどくさい時もいろいろありますよ。いい時代になりました。(拍手)
シャトレーゼはアレルギー対応(小麦・卵・乳)のケーキがあります。(神!)
コージーコーナーにもアレルギー対応(小麦・卵・乳)のケーキがあります。(神!)
このケーキ食べられへんねん・・・と子供に伝えた後の子供の表情を見るのいつも辛いんですね。だから、アレルギー対応にやさしいお店は神様ですよ。(感謝!)
食べられなくて辛いのは私なんかじゃなくて、子供たち本人が一番辛いですからね。
ポケモンパン売ってるフジパンさんもぜひアレルギー対応してもらえるとありがたい。
ポケモン好きなんですよ。うちのじろうさんは。
あのシールがほしいんですけどね、私たち親がポケモンパン食べ続けるわけにもいかずですし、本人が食べたいと思うので食べてないんですけどね。
各食品メーカーがアレルギーっこのために何かしてくれたら、親は買いますよ。
今は買いたくても買えないものの方が多いのですから。
おやつ
プッチンプリン
プリンが植物性になる日が来るとは思わず。感動しました。(拍手!感謝!)
美味しいです(実食済み)
アイスクリーム
こちらも美味しいです。(拍手!シャーベットじゃないのが神!)
イチゴとチョコもあります。(実食済み)
たろうとじろうの今
たろうは小麦は1歳ごろ、乳製品は今年8歳から食べられるようになって、給食の制限もかなり楽になりました。
それまでは毎日豆乳を持参したり、補食を持たせていたのです。
昔に比べると外食先でのアレルギー発症も頻度がグッと下がりました。
ちょっと前まで外出するたびにアレルギーが出ちゃって、私たち親にとってもすごくストレスになりました。
じろうは、同じです。
よくなる気配が・・・・今のところないです。
(数値はちょっとずつよくなってますが、食べられません)
なので給食は、補食を持たせることがあります。
たろうの乳製品の解除は本当にありがたくて、じろうはもともと乳製品は食べられるので、2人とも家の中でも外でも乳製品をたくさん食べられるようになりました。
ソフトクリームはたろうが食べられない時も、じろうと2人きりでデートするときだけ内緒だよって食べてたんですけど、今は堂々とたろうも一緒にソフトクリームが食べられます。
すごく嬉しいです。
食べてもいいよって
食べよう!って
言えるのはすごく幸せです。
おわりに
アレルギーになる食品は本当にいろいろあります。
マルチアレルギーの子供は本当に「食を楽しむ」ということに対して制限が非常に多いです。
息子たちは、マルチアレルギーを持っていても大きく育ってますし、”あるもの”の中で食を楽しむ力を持っています。
本当にたくましいなぁと感心します。
そんなたくましい彼らも時々お友達との違いに、目にする美味しそうなものが食べられないという現実に打ちのめされることがあります。
そんなこともありますが、周りの理解とサポートで少しずつ食べられるものが増えたり、外食の楽しみを見つけたり、学校でも適切な支援を得て生活ができています。
とはいえ、食の選択肢は十分にあるかと言われると、アレルギーのない人に比べたらまだまだ選択肢が少ない状況には変わりません。
アレルギーに対する理解が進み、選ぶ楽しみや喜びを感じられる社会になってほしいなと思います。
そして、この今瞬間アレルギーを持つ人たちのために頑張ってくれているすべての皆さんに感謝したいです。
みなさんがアレルギーを持つ人たちの存在に気づき、アレルギーについて理解しようとしてくださり、アレルギーを持つ人も一緒に楽しむ方法を考えてくださったおかげで、たろうもじろうも今本当に助かっています。
心からありがとうございます。
アレルギーを持つ人たちのことが理解され、受け入れられ、一緒にどうやったら食を楽しめるのか考えようとしてくれる人が1人でも増えることを願い、結びとしたいと思います。
ここまで読んでくださったあなたにも感謝します(好きです。)