こんにちは。
やさしい日本語アドバイザーのTomokoです。
前回(👇)の続きを書いていきます。
やさしい日本語について
この議事概要の中で、やさしい日本語とはという定義について書かれているところがあります。
外国人のためのやさしい日本語というのは、日本人に言えばわかるような単語を噛み砕いて、由来から説明した方が外国人の頭にスッと入るようなものも含めてのもの。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
庵先生のお話が聞ける講演会に参加した時にも、この議事概要にも書かれていますが、
庵先生の考えるやさしい日本語は現在2段階あります。
- 日本人でも容易に理解できる日本語
- 初級修了程度の外国人が理解できる日本語
この二つです。
①は、文法や語彙のレベル調整は行いません。あくまで日本語母語話者が容易に理解ができる日本語のことです。
私がこれを聞いてイメージしたのは、「池上彰」さんです。
法律のこと、政治のこと、医療のこと難しいですよね。
池上さんはとてもわかりやすく説明してくださいますよね。
私の中ではそういうイメージです。
(庵先生が弊サイトを訪れて読むことはないかもしれませんが、もしお読みくださり間違っていたら教えてください・・・)
②は初級修了レベルの外国人が対象になっているので、語彙や文法の調整が必要になるものだと解釈しています。
私自身もやさしい日本語にする過程の中で、元の文章を頭の中で一度作り直す作業を行います。
- 結局この文章で言いたいことは何か。
- 何が大切なのか。
- どんな行動を促したいのか。
私はこんなことを考えて作り直しています。
そこから、動詞や文法などをできる限りやさしくできないか検討しています。
ちょっと話が逸れましたけど、
やさしい日本語は、2段階ある。
これは、一つ新しい視点だと思いますので、やさしい日本語にご関心のあるみなさんは覚えておいて損はないと思いますよ!
書き言葉の課題
議事概要を読んでいて、目に留まったのが、次の文章でした。
機械翻訳は、マイナーな言語は音声ではなく文字での表示のみになってしまう。子供などに対応する際に文字がわからないために本人もわからなくなってしまうという問題が起こる。全ての言語を音声対応とすることはコストの面で難しいと思うので、そうしたところに機械翻訳の限界を感じている。
子供、特に未就学児の場合は文字が読めないということは容易に想像できます。
実際に息子の通う保育園に中国籍の女の子(当時5歳)が急遽入園した時もそうでした。
ずっと中国で育ち親の来日に合わせて保育園に入園した子でした。
中国語しか話せない様子でした。
先生がコミュニケーションに苦慮していたので、何かできないかなと思っていたのですが、
中国では漢字を学び始めるのは小学校からだと知りました。
そして、漢字の読み方であるピンインもアルファベットなので知れないかもしれないから音声でのコミュニケーションがいいかもしれないアドバイスをもらったことがあります。
幼い子どもとの書き言葉でのコミュニケーションは制限が多いでしょう。
この点は話し言葉(音声)で補えればいいと思います。当時もあったと思いますが、今もGoogleやポケトークは書き言葉と音声の組み合わせで自動翻訳ができるものはありますね。
こどもの場合は、それと合わせてイラストや動画なども活用するといいのではないかなと思います。
機械翻訳が苦手な文法
機械翻訳の精度は上がっているので、難解な言い方も把握できるようになってきてはいるが、使役や受け身のような名詞が省略されてしまうような文章はまだ精度が低いと感じている。
使役や受け身のような名刺が省略されてしまうような文章は精度が低いようです。
私個人としては、「青天井」のような単語も正しく訳されないように感じます。
それから、マニュアルなどに書いてありそうな「きれいに」などの副詞的な用法についても解釈に違いが出やすい言葉の一つだと思っており、誤解が起こりやすいのではないかと懸念している表現の一つです。
これが書き言葉話し言葉に限らず誤解が起こると思いますが、マニュアルのようなものであればゴールを視覚的に示すなどの工夫があれば、「きれいに」という言葉の定義は共有されやすいと思います。
考えたことを書きましたが、今後の展開もとても楽しみです。
第二回の会議では、骨子(案)もアップされているので、興味のある方は是非ご覧ください。
やさしい日本語のエッセンスを知るのにもとても役に立つと思います。
読んでくださりありがとうございました!