おはようございます。
今回はやさしい日本語の可能性、
「学校の先生とやさしい日本語」について書いてみようと思います。
(以下は小学校の先生を想像して書きました)
ここ数年で、外国人が身近に住んでいるのを肌で感じられるようになりました。
コンビニの店員さん、スーパーでレジをうつ店員さん、
街のあちこちで外国人の方が働いている姿を目にするようになりました。
私の暮らしているマンションにもママ友から聞いている限りでは、
少なくとも40世帯ほど外国籍の方が暮らしていらっしゃるようです。
つまり、その世帯のお子さんは外国にルーツをもつ子供たちなのです。
その子たちは保育園・幼稚園に行った後は、近くの小学校へ就学します。
近隣の小学校にも多くの外国にルーツをもつ子供たちが在籍していることでしょう。
私が思うに、子供たちを取り巻く問題はとても複雑です。
高校の英語教諭をしている友人が
「子供たちは夢を描けない。自分に可能性を感じられていない」
と嘆いているのを目の当たりにしました。
経済的な問題も絡むこともあるようですが、
言語的な面の問題では、
- 外国にルーツを持つことによる日本語の課題を持つ子供
- 日本人であっても情緒面の発達や言語面の発達に課題を持つ子供
- 外国ルーツを持ちかつ発達に課題のある子供
いろんな子供がいると聞きました。
- 日本語の支援が必要
- 一人一人の発達に合わせた対応が必要
一体どうすればいいのかと頭を抱えている先生ももしかしたらいらっしゃるかもしれません。
やさしい日本語は、難しい日本語を分かりやすく調整した日本語のことです。
これは外国人だけでなく、日本人にとってもやさしい言葉でありコミュニケーションをスムーズにするための言葉であるということは前にこのブログの中で述べました。
私は、やさしい日本語を先生方が使うことで、日本語の支援が必要な子供たちも発達に課題のある子供たちも先生の話や説明が分かりやすくなるのではないかと考えています。
やさしい日本語
・敬語は使わない
・熟語は使わない
・難しい言葉は短い文で説明する
例えば、発達障害を持つ子どもたちは、
集中力の欠如や自分に対して言っているのか区別できないなど
様々な理由で指示を聞き従うことができません。
大人は指示に従わない子供にイライラしてつい強い命令で行動を促すこともあります。
発達障害について育児の参考書などで
「できるだけ具体的にすべきことを話してあげてください」
というアドバイスを見ることもあります。
この子供たちにとって分かりやすい指示はどんな言葉なのか、
今、やさしい日本語で考えてみませんか?
例)走るな!
この命令(指示)をやさしい日本語で言うと、どうなるか分かりますか?
チッチッチッチッチッチ
チーン!
考えましたか?
私が考えるやさしい日本語での指示は以下の通りです。
走りません。
歩きます。
歩きます。お願いします。
危ないです。歩きます。お願いします。
歩いてください。
色々な言い方があります。
伝わることが大切なので正解は一つではありません。
子供全般に言えることですが、
具体的でかつ自己肯定感を下げないような指示ができるといいですよね。
上記の日本語はちょっと不自然さはあるかもしれませんが、指示内容は明確です。
私の子供はもうすぐ5歳ですが、
3歳を過ぎてようやく意思疎通ができるようになったので、
言葉の発達はゆっくりなタイプです。
やさしい日本語での指示、お願いを理解しやすいようですし、
「だめ!」や「○○しないで!」と話すよりも「△△しようね!」って話す方が
お互いの気持ち的にも良いように感じています。
禁止をするより、子供にそうあってほしい姿を具体的にやさしい日本語を使って示す方が、子供にとってもどうすればいいのか理解しやすいのです。
学校の先生方がやさしい日本語を使うことは発達障害をもつ子供たちだけではなく、外国にルーツをもつ子供たちにとっても理解しやすいのはいうまでもありませんよね。
ここまで書いてきたようにやさしい日本語は外国人のためのものだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、外国にルーツをもつ子供たちだけでなく発達障がいを持つ子供たちにもやさしい日本語が言葉がけとして役立つ可能性は十分にあると思います。
やさしい日本語は、子供たちみんなにとってやさしい言葉です。
先生方にもぜひ使ってもらえたらとても嬉しいです。
(子供たちに語りかける言葉を全てやさしい日本語にする必要はなく、理解を促したい時や覚えてほしい時、注意してほしい時や?マークを頭の上に浮かべていることが明らかな時に個別の指導の際に使うといいのではないかなと個人的には思っています。先生がやさしい日本語を駆使する姿を見せることで困っている仲間を助けたいと思っている子供たちがやさしい日本語を真似して先生と一緒にサポートする可能性は十分あるのではないでしょうか^^大人が見本の姿を見せることは子供を育てていく上で大切なことですよね。)
学校という場面でも外国人あるいは外国にルーツを持つ子供たちをたくさん見かけるようになってきましたので、学校の先生方は外国にルーツをもつ子供たちのご両親と話す機会も多くなっていると思います。
そのため、家庭訪問や個人面談などでご両親と話す時に日本語が伝わりにくいなぁという悩みに直面したことのある先生方も多いのではないかと思います。
先生方は子供の育ちのためにご両親に聞きたいことやご両親に協力をお願いしたいこともあると思います。
そんな時、ご両親が先生が話す言葉を理解できなければ意味がありませんよね。
ご両親がわかる言語の通訳がいれば言うことありませんが…
私の子供時代(もう結構前なので今とは全然違いますけど)、
通訳を連れて家庭訪問をする先生を一度も見たことがありません。
私は先生方がご両親と話すような場面でもやさしい日本語が使えると思っています。
多国籍化していますから先生が英語を話せたとしてもご両親が英語が理解できないケースもあると思います。
ご両親の日本語レベルもきっとバラバラで、
日本語を勉強始めたばかりでまだ日本語が難しいと思っている親御さんもいるでしょうし、日本語がペラペラで上手な親御さんもいらっしゃるでしょう。
もし、先生が日常的に使っている言葉で話した時に、ご両親にすんなり分かってもらえていると感じる場合はやさしい日本語を使わず通常通り話していただいて構わないと思いますが、
もしご両親に伝わらない、理解されないと感じる場合は、ぜひやさしい日本語での言い換えを行ってみてほしいと思います。
・・・こうしてみていくと、
やさしい日本語は新しいコミュニケーションストラテジーなのかもしれませんね。
日本人は日本語が通じない、伝わらない=英語を使おうと思いがちですから、
日本語が伝わりにくい=やさしい日本語を使ってみようという新しい概念、ストラテジーがあることをもっともっと多くの人に知ってもらいたいです。
この難しい言葉を簡単な言葉に翻訳する「むず日ーやさ日翻訳」は日本人であるからこそできると私は思っています。
先生方は普段から子供たちと話す時にどうやって伝えようか、
どんな言葉がけで教えて行こうかと子供たちのことを常に考えてくださっている方ばかりだと思います。
ですから、やさしい日本語をぜひ学校生活に取り入れてもらいたいです。
子供たちが日中過ごす場所である学校で、
先生や子供に関わる人たちが必要な時にやさしい日本語で話す。
そうすることで、日本語の理解に不安のある子供達が
”日本語がわかる!分かった!という成功体験を積み重ねる”ことができれば、子供たちの自信にもきっと繋がるでしょう。
子供たちが自分自身の可能性を信じ、こうありたいという夢を持てる学校、社会になるよう私たち大人ができることをしていけたらいいですよね。